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研究詳細 research overview

現在の研究詳細

  • 教授  泉井一浩

車両骨格構造の断面形状初期設計法

自動車の骨格構造は下図のように、複数の薄板をプレス加工により所定の形状に変形させてからそれらをスポット溶接により結合することで成形する。このとき,軽量でかつ剛性が高く、しかも製造コストが安くなるように、その断面形状を設計しなければならない。また衝突性能を考慮すると、衝突のエネルギーを効率よく吸収するために、崩壊モードを設計しておくなどの配慮が必要である。
本研究室では、進化型計算による最適化手法を用いて、設計者が設定した断面特性をもった形状を創成する方法を開発している。この方法では、複数の多様な断面形状の候補を導出することが可能であり、構想設計段階における断面形状決定の検討を支援することができる。

図  車両骨格構造と断面形状
車両骨格構造と断面形状

また,同様に,構想設計段階において,骨格構造の衝突時の挙動を解析するために,簡易解析モデルを構築した.
薄肉断面をもつ骨格構造は,衝突時にアコーディオンのような形状に座屈しながら衝突エネルギーを吸収する.このような現象を簡易的に表現するために破壊理論に基づき1回の座屈の特性を表現する非線形バネを構築した.この非線形バネを座屈間隔と等しくなるように配置することで,非常に単純なモデルで同様の現象を表現することができることを示した.また,この簡易最適モデルを用いて最適設計法と組み合わせることで,所望の衝突シナリオを実現する断面特性を導き出すことが可能となった.

アコーディオン座屈の様子 簡易解析モデル

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ディスクブレーキシステムの構想設計法

ディスクブレーキシステムの構想設計において,ブレーキ鳴きを回避するよう設計を行うことは重要な課題である.しかしながら,構想設計段階において,詳細な有限要素モデルを用いた検討を行うことは非常に困難である.そこで,ブレーキ鳴き現象を表現可能な簡易モデルを開発し,製品の仕様時の環境変動に対するロバスト性を考慮した最適設計を行う方法を構築している.

ディスクブレーキシステムの構想設計法

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メタヒューリスティクスを用いた最適化

遺伝的アルゴリズムやParticle Swarm Optimizationなど,メタヒューリスティクスを用いた最適設計手法の研究を行なっている.ロボット組立工程のレイアウト最適化や機械構造物の大域的最適化,大規模多層システムの信頼設計,製品のライフサイクル設計などへの応用を行なっている.

複数ロボットの協調作業を対象としたレイアウト設計 多層システムの最適設計

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エネルギー変換デバイスを対象としたトポロジー最適化

以下の例は,熱電素子を用いたアクチュエータや,熱光起電力発電システムのための光学フィルタのトポロジー最適化による結果である.これらのようにエネルギー変換デバイスを対象とした構造最適化手法を開発し,効率の高いエネルギー変換デバイスの開発を行なっている.

熱電素子に電位を与えることで,
下向きの変位を得るアクチュエータ 光学フィルタにおける誘電体構造の最適設計

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