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力学:材料非線形性を反映したトポロジー最適化法 (Click to close)
ゴムや金属といった自然材料から人工材料に至るまで、多くの材料は粘性、塑性、損傷といった材料非線形性を示します。しかし、従来の研究では、できるだけ変形しない構造が望ましいと考え、材料を線形弾性体として仮定して最適形状の導出が行われてきました。本研究室では、材料力学理論とトポロジー最適化を積極的に組み合わせることで、既存の枠組みでは実現不可能な、材料の特異性を発揮する形状を創出する最適設計法の研究を進めています。
力学:異方性材料の配向方向とトポロジーの同時最適化 (Click to close)
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、繊維方向には極めて高い強度を持つ一方、それに直交する方向には弱いという特性があります。このように材料特性が方向によって異なる異方性材料を用いる場合、材料のポテンシャルを最大限に引き出すためには、構造の形状だけでなく、材料の配向方向も同時に最適化する必要があります。本研究室では、異方性材料の性能を活かすため、構造の形状を表現する材料分布と材料の配向方向を同時に最適化する研究に取り組んでいます。
力学:接触や摩擦を考慮したトポロジー最適化法 (Click to close)
接触や摩擦を伴う構造問題は、強い非線形性や不連続性を含むため、従来法では安定かつ高精度な設計が困難です。本研究では、接触拘束条件および摩擦則を連続体力学に基づいて厳密に定式化し、変分不等式問題として統一的に扱う最適化枠組みを構築しています。随伴法による感度解析とロバストな数値アルゴリズムを開発することで、接触や摩擦を制約として扱うのではなく、設計自由度として積極的に活用する新たな設計理論を目指します。
流体力学:流体機械を対象としたトポロジー最適化法 (Click to close)
ポンプやタービンに代表される流体機械は、流体との間でエネルギーの授受を行う装置です。これらの機械には、高効率な設計や振動・騒音の低減といった多くの要件が求められます。とりわけ,流体機械の多くは回転を伴い、その複雑な内部流れを予測するためには数値シミュレーションが不可欠です。本研究室では、数値流体解析とトポロジー最適化を組み合わせることで、流体機械に対する革新的な設計手法の提案と高度化を目指して研究を進めています。
流体力学:流路設計を対象とした非勾配型トポロジー最適化法の構築 (Click to close)
産業応用において流路設計の対象となるのは、多くの場合は乱流問題ですが、その設計感度を得るのは容易ではありません。非勾配法を用いれば、感度を必要としないほか、設計空間を大域的に探索できるためより優れた解を得られる可能性がある一方で、計算時間が大きな課題となります。本研究室では、補間曲線に基づく形状表現を用い、差分進化による最適化を行うことで、乱流現象を伴う流路設計に適用可能な最適化手法の構築を目指しています。
熱力学:温度依存熱伝導特性を考慮したトポロジー最適化法 (Click to close)
非線形熱伝導を伴う構造設計では、温度依存材料特性や放射・相変化などの影響により、従来の線形仮定に基づく最適化では十分な設計指針が得られません。本研究では、温度依存伝導率や内部発熱を考慮した非線形熱伝導方程式を基礎方程式として定式化し、トポロジー最適化と統合した設計手法を構築します。随伴法による感度解析と安定化数値アルゴリズムを開発することで、高効率な放熱構造や熱制御デバイスの創成を目指します。
熱力学:相変化材料を用いたヒートシンクのトポロジー最適化 (Click to close)
相変化材料(PCM)は潜熱を利用した効率的な冷却が可能ですが、熱伝導率が低いために高熱伝導材料(HCM)との最適な配置設計にはトポロジー最適化が不可欠です。しかしながら、最適化過程で生じるグレースケール領域を抑制すると熱性能が低下するという課題があります。本研究では、PCMとHCMの中間的な熱伝導率を持ち、PCMよりやや低い潜熱を有する低融点合金(LMPA)を導入することでこの問題を解決します。最適化された構造ではLMPAが新たな分岐構造を形成し、一部のグレースケール領域を置き換えることで温度変動の抑制性能を効果的に向上させます。
熱流体力学:傾斜機能ヒートシンクを対象とした構造最適化手法 (Click to close)
電子機器の小型化と高性能化に伴い、機器の発熱が問題となっています。機器の不均一な発熱分布に対応して、ヒートシンク内のフィン一本一本の寸法を決定することで、流れ場や熱伝達量を調整し、放熱を促進させることができます。しかしながら、傾斜機能ヒートシンク設計には大規模な熱流体解析を必要とするため、既往手法では適切な設計が困難でした。本研究室では、フィンの特性を学習させた代理モデルを用いることにより、フィンの寸法分布を最適化する手法の研究を進めています。
電気化学:全固体電池を対象としたトポロジー最適化法 (Click to close)
全固体電池は、従来の液系電池で問題となっていた発火の危険性を解決するために、非常に注目されています。しかしながら、電解質が固体で構成されているため、反応が起きる粒と粒の接触面積が十分に確保できず、十分に性能を発揮できないという課題があります。本研究室では、電池内部の構造にトポロジー最適化法を適用することで、電池内部に存在する各材料の性能を最大限に活かすことができる材料分布を、数学的および物理的な根拠に基づいて導出する研究を行っています。
製造制約:最小寸法幅を考慮したトポロジー最適化法 (Click to close)
トポロジー最適化法により得られる構造の中には、非常に細い領域で材料が分布していたり、材料の分布が不連続になることがあります。これらの構造は応力集中を招き、実際の製造が困難になる場合があります。そこで、本研究室では、複数の変形可能な構成要素を用いて材料分布を表現するMMC法に基づく最適化手法を研究しています。この手法により、材料の太さの最小値を制御し、設計空間の境界間で材料が途切れない実用的な構造を創出することが可能となります。
製造制約:画像処理技術を用いたトポロジー最適化法 (Click to close)
トポロジー最適化法では、製造が困難なほど複雑な構造が最適解として得られることが課題の一つとなっています。 そのため、設計者は得られた最適構造を別途修正する必要がありますが、最適解の性能を維持しつつ製造可能な形状へと調整することは容易ではなく、設計者の勘や経験、試行錯誤に依存する部分が大きいのが現状です。 本研究室では、最適化の段階で製造性細線化アルゴリズムなどの画像処理技術を活用した寸法制約手法の研究を進めています。
機械学習:監査指摘テキストを構造化するニューラルネットワーク (Click to close)
企業の監査指摘テキストを構造化し、要因分析を可能にするニューラルネットワーク手法を研究しています。本研究の核心は、独自に設計したSAE-TALBにあります。本手法では、監査指摘テキストを文埋め込みモデルでベクトル化し、スパースオートエンコーダ(SAE)により潜在空間へ圧縮しながら、解釈可能な特徴が少数の活性化ノードに集約されるようニューラルネットワークを学習します。加えて、3つの専用エンコーダと1つの共有デコーダを結合した独自アーキテクチャにより、情報を「既存の分類体系に沿う要素」と「分類体系では捉えにくいタスク非依存の要素」に分離・構造化します。「体系的知識と未知の変動を分離・抽出する」仕組みを通じて、品質監査にとどまらない、複雑な製造データの異常検知やリスク予測などへの応用を目指します。
計算力学:ソフトロボットの設計を見据えたシミュレータ開発 (Click to close)
ソフトロボットは、大変形、接触、摩擦、材料非線形、さらには流体圧駆動や熱応答など、多様な物理現象が同時に現れるため、設計段階での高信頼シミュレーションが不可欠です。本研究では、連続体力学に基づく有限変形解析を核として、接触・摩擦を含む強非線形問題を安定に解く数値計算手法を開発し、設計に直結するシミュレータを構築します。さらに、モデル低次元化や学習ベース近似を組み合わせることで、最適化ループ内で高速に評価可能な計算基盤を実現します。これにより、形状・材料・駆動条件を統合的に探索し、所望の機能を実現するソフトロボット設計手法の確立を目指します。
生命工学:生体材料の成長と萎縮挙動のマルチフィジクスモデリング (Click to close)
生体材料の成長および萎縮挙動は、力学刺激、化学反応、物質輸送、エネルギー代謝などが相互に連成するマルチフィジクス現象として理解されます。本研究では、連続体力学を基盤とし、成長変形理論と内部変数に基づく材料構成則を導入することで、組織リモデリング過程を統一的に記述する数理モデルを構築しています。さらに、反応拡散方程式や電気化学的輸送モデルを組み合わせ、力学場と生化学場の双方向連成を考慮した数値解析手法を開発しています。これにより、生体組織の機能適応機構を解明し、再生医療や医療デバイス設計への応用を目指します。
損傷力学:勾配損傷理論を用いた材料の破壊挙動のモデリング (Click to close)
材料の破壊挙動は、き裂の発生・進展や損傷の局所化を伴う強い非線形現象です。本研究では、内部長さ尺度を導入する勾配損傷理論に基づき、損傷の空間分布を連続体場として記述する数理モデルを構築します。これにより、メッシュ依存性を抑制しつつ、き裂進展や脆性・延性破壊を統一的に表現することを目指します。さらに、有限変形理論および高精度数値計算手法と統合することで、構造材料の破壊過程の高信頼予測と設計への応用を図ります。